弁理士が開業資金を蓄えるべく始めた匿名アフィブログ

特許、実用新案、意匠、商標、著作権といった知的財産に関するニュース、裁判例、法改正などについて、カネの匂いのするネタ(?)を記事にします。

経済産業省曰く「特許庁が特許文献検索システムに関する特許権を取得しました」

https://www.meti.go.jp/press/2020/05/20200511001/20200511001.html

特許庁は、特許文献検索システムに関する特許・商標出願を行い、このたび、特許権を取得しました。

その特許というのがこちらです。

特許第6691280号(J-PlatPatへの固定リンク)

 

特許権者は「特許庁長官」。J-PlatPatで検索すると、特許庁長官名義の特許権は本件が初のようです。

 

ここで思い出されるのが、特許法第107条第2項。

前項の規定は、国に属する特許権には、適用しない。

特許料に関し、国庫内の資金循環を防ぐための規定です。(別に思い出されませんか?そうですか。)

ご存知の通り、特許庁は独立採算制であり、特許庁へ料金を支払うときは「収入印紙」でなく「特許印紙」を使います。

なんだか資金は循環しそうですが、上記の件の特許権者は「国」ではないため、特許庁は特許料を納めるのでしょうか。

ちなみに、J-PlatPatを検索すると、出願人が「国立天文台長が代表する日本国」とか、「国立感染症研究所長が代表する日本国」とか、「農林水産省蚕糸・昆虫農業技術研究所長が代表する日本国」なんて出願が見つかります。

 

また、出願は弁理士が代理をしていますが、だれが代理人を選んだのでしょう?まさか一般競争入札??

品のない話ですが、代理人費用がいくらだったのかも興味深いです。

 

そして何より、自ら出願して、審査して、特許権を与えるという、言い知れぬズルい感じ。

優先権主張して外国出願したら何か国で特許になるか、誰か異議申立でもしないかな、等々、興味は尽きません。

 

と言いつつ、出願の内容はろくに読んでいないのですが、気が向きましたら内容については改めて。